20170216

セミナーで死んだ。

もっと上手くやれると根拠もなく信じていた。数学力が極端に低いこともないと思っていたし、輪講も秋の授業で多少経験していた。扱う本を決めるのがセミナー6日前と少々遅めではあったがどうにかなるだろう過信していた。

だが結果は散々だった。まず定義をしっかり言えない。脳内にはイメージがあるのに言葉にできない。人に説明するには自分が理解しているだけでは不十分という事実が分かっていなかった。説明手順もおぼつかなかった。教授に指摘された「どれが定義でどれが主張(定理)なのかはっきりさせる」「解説を始める時には結論を先に書く」などの注意は言われてみれば当たり前のことだった。所詮自分は初歩の初歩すら抑えられていないガキだった。

一番苦しかったのは記号の使い方や定義が不自然でセミナー中にクスクス笑われたことだった。私自身は教科書の言葉をそのまま使っているだけなのだが、「普通は星(*)は上につける」「圏論の観点からいうと〜」など、要は私は「常識知らず」らしかった。セミナー中に馬鹿を見下すような視線に晒されたのが不愉快だったのもある。だがそれ以上に「お前は数学のことを何も分かってない」という事実を突き付けられたのが辛かった。当然ではある。この一年間皆が図書館で努力していた傍でただひたすら雑談ばかりしてボケーっとしてたツケだ。今勉強しなくてもいつかどうにかなるだろうと盲信し、実際はどうにもならなかった。それだけだった。

 

次は上手くやる。このままやられっぱなしなのは癪だ。記号の不自然さは今すぐどうにかなるものでもない。できるところからやる。定義はしっかり言う。定義定理主張注意はしっかり区別する。先に結論を書く。これだけはすぐに直せる。次は絶対に上手くやる。