要件を先に言え

バイト先の人から唐突にラインが来た。

「〇〇さんって学部学科どこでしたっけ?」

全く要領をえないライン。目的が全く見えない。心当たりもない。まあ同じ学科と思われる人を見つけたとかその辺りだろう。素直に返信。

すると

「数学!それなら数学のウェブテストを手伝ってくれませんか?
やるなら大学まで向かいますので!」

ウェブテストとはつまりSPIのことである。想像の5倍は重い要求が来た。彼女は前々から数学ができなくてSPIで困っていると嘆いていた。今思えばこの展開を想像するのはそう難くなかった。

先に要件を知っていれば即断っていただろう。だが中途半端に話が進んでしまった現状それを断るのは難しい。取れる行動は一つしかなかった。

「いいですよ!何をやればいいですか?」

萎えた。

話術の一つといえば聞こえはいいかもしれないが、される側としてはいい迷惑である。初めに目的を明確にしてから質問してもらわないとこちらも返答に困る。