分からない

今日の予定はバイトだけだった。バイト前の時間を有効に使えないたちなので家を出る直前に起床。急いで支度をすると予想以上に時間が余る。少し作業をしようとpcをつけるも流石にそこまで悠長ができるほど時間はなく、何も進捗を生むことなく家を出る。やはりバイト前の時間は何もできない。

講師の一人に

「〇〇さんどんどんイケメンになりますね〜」

と話しかけられた。
一応断っておくと私はイケメンではない(知り合いのオタクから「中の下」との評価を頂いたことがある)(下の評価を下さないところに気遣いを感じられて余計に悲しい)。だからそれは間違いなく冗談で、本意なわけがなかった。おそらくは多少は身なりに気を使うようになった私を気遣っての言葉だろう、と判断して「らしくないことを言いますねw」と返しておいた。
今になって考え直すとあれは不細工が不相応なおしゃれをして気持ちが悪い、ということなのかもしれない。真相は当人にしか分からない。イケメンに生まれたらこんなことで悩む必要はなかったのに。

教えてる高校受験生の偏差値が上がった。やはり結果が出ると嬉しい。去年は担当した受験生が落ちてしまい悔しい思いをしたが、今年は手応えがある。二度と同じ過ちは繰り返さない。

授業終了後に講師たちと色々雑談をした。彼ら曰く私のブランドが塾内で確立されているらしい。多分私の授業スタイルが塾内で認められつつあるくらいの意味だと思う(社交辞令に自惚れているだけかもしれない)。
自覚は全くない。確かに上手く授業できることは増えた。しかしそれは担当している生徒が良い子ばかりなだけだ。素行の悪い生徒は消え、私にとって都合の良い生徒が残ったというだけのことなのだ。
自分に合う生徒の授業だけをすること自体は私が望んだことである。「自分に付いてくる生徒を精一杯見てやればいい」と一年前に辞めた先輩(私が唯一尊敬している講師)は言った。その言葉を信じてこの一年を突き進んできた。今ならその言葉の通りに仕事ができていると断言できる。
しかしそれは自分に合う生徒ではなく、自分でも授業をこなせる良い生徒が集まっただけかもしれない。そんなことは誰にでもできることだ。ブランドなんてものはない。私が前者なのか後者なのか、真相は分からない。

Nは今日も早く帰ってしまった。もう少し残って話に混じっても良いではないか。なぜ早く帰るのだろう。真相は分からない。

分からない。分からない。人の気持ちがわからないアンドロイドになります。ウィーンウィーン。