おとなになった

のんのんびより風にしました。
 

成人式から日が経ち過ぎて記憶がおぼろげだが要点だけまとめておく。

 
小学生の頃のノリが通用すると思いこんで痛い目にあった。彼らとて無駄にこの8年を過ごしたわけではない。私が私なりの8年を過ごしたように、彼らも私の知らない彼らだけの時間を歩んだのだ。だから、多分中学から地元を離れた人間が期待するようなものはそこにない。
 
八年の歳月は人間関係を良い方向に進めると考えていた。仲が良いやつとはあの時と同じように語り合える自信があったし、当時色々あった奴等とも、わだかまりは長い時の流れの中で角が取れて笑い話として流せるような余裕が生まれると確信していた。しかし現実はそうでもないようだった。
 
彼らは当時嫌っていたやつをまだ嫌っていた。あの頃避けられてたやつは今でも忌み嫌われていた。多分私もその一人なのだろう。時間は何も解決してくれなかった。
 
終わったと思われた過去は、実は終わっていなかった。過去の記憶は、小さなコミュニティの中で長い年月をかけて脚色され、濃縮される。彼らはそうして出来上がった黒くてどろりとした何かをことあるごとに取り出し、匂いを嗅いでは顔をしかめたに違いない。私には止めることができなかった。仕方のないことだった。
 
良いイメージはより最近の良いイメージに駆逐される。あの頃は確かに親しかった。けれども中高時代の友人には勝てない。かつての親友たちは同じ高校の人達と固まってしまっていた。結局彼らとは何も話せずじまいだった。
 
「あの頃」に抱いていた幻想は全て打ち砕かれた。全てが悪い方向に進んでいた。多分現実から目を背けて過去に救いを求めただけなのだろう。しかしそれは甘えだったのだ。結局は今身を置いている人間関係の中で生きるしかない。ただその事実だけがずんとのし掛かった。