QOL

先日ビジネスバッグを新調した。

以前は家にあったものを使用していた。作りは粗末なもので、百円ショップに置いていても不思議ではないレベルである。そのため、周囲の視線が気になって仕方がなかった。
そのストレスに耐えかねた私は新宿へ繰り出した。新宿に行けば何でもあるだろうと確信していた。だから下調べは何もしなかった。
新宿へ向かう車内でスマホで店を調べた。どうやら丸井や伊勢丹に売ってるらしい。とりあえず向かった。

想像以上に高額だった。
高くても7000で買えるだろうと踏んでいたのだが、陳列されているものを見ると一万越えは当たり前。二万三万台もごろごろある。私が来るべき場所ではないと悟り、次なる店を探した。

次に向かったのはヨドバシである。ここなら安く買えるに違いない。そう信じて目的地へ。
確かに安い。しかしその分しょぼい上に自分の感性に合わないものが多い。中間はないのか。コスパの良いものはないのか。

最後に向かったのはドンキホーテである。正直地雷臭しかしない。しかし中を見るとそうでもないようだ。価格はそれなりで作りもしっかりしているものが置いてあった。激安の殿堂も捨てたものではない。私はここで買うことを決めて無事目的の品を入手できた。

おそらく以前の自分なら大枚を叩いて鞄を買うなどあり得なかったに違い無い。しかし考えが変わった。きっかけは髭剃りである。髭剃りも以前は使い捨ての安っぽいものをジェルなしで使用していた。当然剃り残しも多く肌が切れることも一度や二度ではない。毎日髭を剃る度にストレスを感じていた私は繰り返し使えるまともなものを買い、ジェルを付けて剃ることにした。
感動した。こんな簡単に剃れるものなのか。今までの自分は何をしていたのか。控えめに言ってもこれは「革命」であった。しっかりお金を掛けるとこんなにも違うのか。

それ以来耐久消費財には金を惜しまぬようにしようと決めたのだ。今回の鞄もそうである。安物を使って心を削るよりも多少のお金を払ってでも良いものを使うほうが良いに違いないのである。

そして昨日今日とそれを使ってみた。やはりある程度まともなものを使っているとストレスが格段に減る。それだけでも私からすればブレイクスルーであった。しかしそれよりも大きかったのはその機能の高さである。まずファスナーのない書類入れがある。ここに通学中に読みたい物を入れておけば多少の混雑の中であれば楽々と取り出せる。次にペンを収納するポケットがあることだ。メモ程度であればそこからさっと取り出せば良いのである。

やはり何度も使うものはケチってはいけない。QOL(本来の意味とは違うが伝わるだろう)を高めるためには節約するところを間違えてはいけない。倹約家と守銭奴は違うのである。